初防衛を目指す木村一基王位に
17歳の神童・藤井聡太七段が挑戦する
第61期王位戦7番勝負。
開幕戦を藤井七段が制して迎えた注目の第2局が
昨日より、北海道は札幌市「ホテルエミシア札幌」にて
運命の幕を開きました。。
第2局の先手は木村王位。
開幕連敗スタートは是が非でも避けたい
本局の初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲木村王位: なし
△藤井七段: なし
対します、藤井七段も2手目に
同じく飛車先を突く△8四歩と返して
対局はスタートとなりました。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲木村王位: なし
△藤井七段: なし
互いに居飛車を明示する出だしから
両者はそのまま息を合わせて飛車先を決め
戦型は「相掛かり」に決定。。
14手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲木村王位: なし
△藤井七段: なし
角頭金で受け、飛車の横腹に銀を立てる
まずはおなじみの同形模様で駒組みは進行。。
早めに居玉を解除し
「▲6八玉型」に構えた木村王位に対して
藤井七段は居玉のまま、両サイドの端歩を突くと
上図で飛車先の歩を突き合わせます。。
17手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩
△藤井七段: 歩
以下、▲同歩~△同飛の進行で歩交換が成立すると
木村王位は突進してきた後手の飛車先を受ける前に
自らの飛車先2筋の歩を突き合わせました。。
24手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩
△藤井七段: 歩
同じ手順で2筋でも歩交換が成立。。
互いに角頭に歩を打ち、相手の飛車先をケアしてから
いまだ居玉の藤井七段は、上図で先に角道を開くと
次の▲3七銀(25手目)をみて。。
26手目△4四角。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩
△藤井七段: 歩
藤井七段は角を戦場へと迫り出し
先手の浮き飛車に当てて、駒組みをけん制します。。
が、しかし。。
31手目▲4五銀。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩
△藤井七段: 歩
当たりとなった飛車を一段引き下げた
木村王位は逆に後手の角を標的に銀を繰り上げ
あくまで自然にスムーズに、仕掛けを開始します。。
【 一日目終了図・39手目▲3六銀 】
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩2
△藤井七段: 歩
一日目の対局は上図39手目まで進行。
木村王位が後手の角を追い払い、3筋を整えた局面で
藤井七段が次の手を封じて、指し掛けになりました。。
一夜が明けて
迎えた本日、決着の二日目。。
40手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩2
△藤井七段: なし
注目の藤井七段の「封じ手」は△8六歩。
果敢な飛車先の追撃から、二日目をスタートしました。
43手目▲2六飛。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩3
△藤井七段: 歩
以下、▲同歩~△同飛の進行となり
再び歩交換が成立すると、木村王位は飛車を浮かせて
後手の5筋へとの飛車回りに備えて、3筋に構えた銀に
手堅くヒモをつけました。。
ここで手番の藤井七段は、12分の考慮で。。
44手目△9五歩。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩3
△藤井七段: 歩
駒音高く、9筋の歩を突き合わせ
飛車を基点に端から絡みつきました。。
木村王位は▲同歩(45手目)と応じて、以下
△5六飛~▲8七歩~△9六歩~▲5七歩~△5五飛に
▲9六香をみて、下図52手目△8五飛と進行。。
52手目△8五飛。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩3
△藤井七段: 歩
飛車を動かしながら、9筋の香車を吊り上げた
藤井七段が飛車を元居た8筋に戻した、上図の局面で
午前の対局は終了となり、昼食休憩に突入します。。
【 お昼のメニュー 】
木村王位: ビーフシチューセットランチ
藤井七段: ビーフステーキカレーセットランチ
53手目▲9七角。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩3
△藤井七段: 歩
午後の対局開始の一手で
木村王位は角を9筋の端からのぞかせ
6筋に浮いた歩を狙いつつ、後手の狙いの筋である
△8六歩~▲同歩~△同飛からの香取りを防ぎます。。
この手に対し、藤井七段は
ジッと自陣に手を戻し、銀を繰り上げると(54手目△4ニ銀)
木村王位も歩調を合わせ、離れ駒の金を立てたのをみて。。
(55手目▲4八金)
56手目▲9五香。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩3
△藤井七段: 歩2
藤井七段は5分の考慮で
ズバリと香車を走らせ、駒を捌きに出ました。。
63手目▲2九飛。
上図での持ち駒
▲木村王位: 香、歩3
△藤井七段: 香、歩2
香交換成立の流れで
藤井七段が敵陣へと飛車を成り込みますが
冷静に陣形を保つ木村王位は、上図で飛車を引き
桂馬にヒモをつけ、後手の追撃を許しません。。
このままでは追撃どころか龍が捕獲されてしまう
藤井七段は34分の長考の末、一先ず龍を撤退させると。。
(64手目▲9ニ龍)
65手目▲2八香。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩3
△藤井七段: 香、歩2
木村王位はすかさず飛車の頭上い手持ちの香車を設置。。
強烈な二段ロケットをあっさりと完成させ、厳しく切り返します。。
木村王位の緩急自在の指し回しに
なかなか本来のペースが掴めない藤井七段は
3筋に銀を上げ、駒を固めて受けに回ると。。
(66手目△3三銀)
67手目▲2三香成。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩4
△藤井七段: 香、歩2
木村王位は優雅にして力強く
香車を走らせ高らかに、いざ開戦を告げました。。
70手目▲2三金。
上図での持ち駒
▲木村王位: 歩3
△藤井七段: 香、歩2
藤井七段は突進してきた先手の香車の裏側へ
すかさず手持ちの香車を投入し(68手目△2三金)
先手の飛車の利きを止めてから、金で香車を払い
渾身の切り返しで、底力をみせます。。
82手目▲2八香成。
上図での持ち駒
▲木村王位: 香、歩4
△藤井七段: 歩
しかし、盤上の流れは変わらず。。
藤井七段は木村飛車を押さえ込み、香車を成り込みますが
木村王位は手番の回った上図から次に、金を取り込むと。。
(83手目▲1五歩)
85手目▲4五桂。
上図での持ち駒
▲木村王位: 金、香、歩4
△藤井七段: 歩2
次の△1五同歩(84手目)をみて
木村王位は4筋の好所へ味よく桂馬を投入し
見るも鮮やかに切り返しました。。
藤井七段は△4四銀(86手目)と受け、以下
▲6四角に△4五銀右~▲同銀~△同銀~▲5三角成~
△5ニ金~▲9三歩~△同桂~▲6四角~△6ニ龍をみて
下図97手目▲6五香と進行。。
97手目▲6五香。
上図での持ち駒
▲木村王位: 金、銀、歩5
△藤井七段: 銀、桂、歩3
木村王位は華麗な駒捌きで後手陣をかき乱し
盤上を支配し、形勢の針を大きく引き寄せました。。
が、しかし。。しかし
【 投了図・144△6五玉 】
投了図での持ち駒
▲木村王位: 香、歩5
△藤井七段: 金2、桂、歩3
劣勢の終盤戦ても諦めることなく最善を尽くす
藤井七段の粘りの前に、それまで気持ち良くしなった
木村王位の指し手が思うように伸びず、形勢は混沌。。
藤井七段がついに、玉の上部脱出に成功すると
木村王位は為す術を失くし、上図の局面をみて
無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後7時40分。
衝撃的な大逆転勝利を飾った藤井七段は
どよめきの中、開幕連勝発進を決めました。。
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第61期王位戦7番勝負/第2局「藤井七段、土壇場の大逆転で連勝発進」