本日行なわれました
第10期女流王座戦一次予選・一斉対局のうち
今回は「上田初美女流四段-香川愛生女流三段」の
注目の好カードの模様をご紹介させていただきます。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: なし
△香川女流三段: なし
本局の先手は上田女流四段。
初手は角道を開ける▲7六歩から。。
対します、香川女流三段も2手目に角道を開く
△3四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: なし
△香川女流三段: なし
続く3手目に
上田女流四段が飛車先を突き、居飛車を明示すると
香川女流三段はすかさず、自らの角道を止めて
振り飛車投入を示唆します。。
18手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: なし
△香川女流三段: なし
しかし、しばらく作戦を明示せず指し進んだ
香川女流三段は二枚の銀を「雁木」調に並べてから
上図で飛車先を突き、居飛車を選択しました。。
25手目▲5七銀。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: なし
△香川女流三段: なし
居玉のまま飛車先を決め
「急戦」を目指す香川女流三段に対して
早々と「左美濃」に玉をおさめた上田女流四段は
手堅く金銀を連結し、後手の出方をうかがいます。。
上図から次に、香川女流三段が
銀を6筋に繰り出したのをみて(26手目△6四銀)。。
27手目▲6六銀。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: なし
△香川女流三段: なし
上田女流四段もすぐに呼応し
銀を6筋に繰り出し、「銀対抗」形を描き出します。
この手をみて
香川女流三段は居玉を解除(28手目△4一玉)
自陣の整備に取り掛かります。。
45手目▲1五歩。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: なし
△香川女流三段: なし
互いに存分に自陣を整えると
上図で上田女流四段が1筋の歩を突き合わせ
端から戦端を開きました。。
香川女流三段は△同歩(46手目)と応じて、以下
▲同香~△同香~▲同角に△2五桂~▲2六角~
△5三角~▲3五歩~△2ニ玉~▲1四歩~△1一飛~
▲1六香~△1ニ歩をみて下図59手目▲3四歩と進行。。
59手目▲3四歩。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: 歩
△香川女流三段: 香、歩
香交換成立後
上手く1筋を押さえ込んだ上田女流四段は
3筋の歩を取り込み、さらなる仕掛けを目指します。。
71手目▲1八飛。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: 桂、歩
△香川女流三段: 桂、香、歩3
上田女流四段は桂交換を成立させると
機をみて鋭く、争点の1筋から踏み込み(67手目▲1三歩成)
グイグイと力強く、攻勢を強めて行きます。。
先手の巧みな指し回しの前に
なかなか手番の握りない香川女流三段が
たまらず、玉の上部脱出を図ると(70手目△2四玉)
上田女流四段は満を持して飛車を1筋に合わせました。。
86手目△2四角。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: 飛
△香川女流三段: 角、香、歩3
先手の主導で開戦となると
香川女流三段はそこから底力を発揮します。。
玉を前に出して「入玉」をみせながら、粘り強く
攻守に手を作り、来るべきチャンスを待ちます。。
が、しかし。。
115手目▲1ニ成香。
上図での持ち駒
▲上田女流四段: 香
△香川女流三段: 桂、歩2
百戦錬磨の上田女流四段は形勢を手放すことなく
強気の攻めで後手玉を敵陣へ押し戻すと、起点の端から
さらに集中力を研ぎ澄まし、寄せの態勢に入ります。。
【 投了図・145手目▲7ニ銀 】
投了図での持ち駒
▲上田女流四段: 歩
△香川女流三段: 飛、銀、桂、香2、歩5
香川女流三段は激しく抵抗し
最後は壮絶な攻め合いとなりましたが、しかし
流れを変えるには至らず、上図の銀の王手をみて
香川女流三段は無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後6時18分。
激戦を見事に制した上田女流四段が
堂々の本戦出場を決ました。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
第10期女流王座戦・一次予選/決勝「上田女流四段ー香川女流三段は大熱戦」