今回は、本日行なわれています注目のカード
第61期王位戦挑戦者決定リーグ・紅組/1回戦
「永瀬拓矢二冠-鈴木大介九段」の一戦の模様を
ご紹介させていただきます。。
2手目▲3四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△鈴木九段: なし
両者は親交が厚く、とりわけ
永瀬二冠は若手の頃から鈴木九段への
信頼と尊敬を公言する間柄。。
両者の顔合わせは
これまで2度実現し、永瀬二冠が2連勝中。。
本局の先手は永瀬二冠。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、鈴木九段は2手目に角道を開く
△3四歩と返し、対局はスタートしました。。
6手目△4二飛。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△鈴木九段: なし
鈴木九段は4手目に角道を止めると
上図で飛車に手をかけ、4筋へと振り
振り飛車の王道「四間飛車」を投入。。
戦型は「対抗形」となりました。。
25手目▲7九金。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△鈴木九段: なし
互いに飛車のポジションが決まったところで
両者は居玉を解除し、玉の囲いを目指します。。
振り飛車の相棒である
「美濃囲い」の中へ玉をおさめた鈴木九段に対し
永瀬二冠は「壁銀」の真下へひとまず玉をおさめる
凝った手順の囲いを完成させました。。
45手目▲6六歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△鈴木九段: なし
中盤戦は神経質な睨み合い。。
飛車先を低く受けた永瀬二冠は(41手目▲2七歩)
上図で角交換を拒み、戦いは起こさずじっくりっと
模様を動かし、間合いを計り続けます。。
一方、仕掛けどころを探る
鈴木九段は、上図から次に。。
46手目△5四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: なし
△鈴木九段: なし
中央5筋の歩を突き合わせ
模様を解すべく、軽く仕掛けを開始しました。。
永瀬二冠は▲同歩(47手目)と応じて、以下
△同金~▲6七金~△6四歩~▲8六歩~△4三銀~
▲7八金~△5ニ銀~▲8七銀~△6三銀左に▲8八銀~
△6ニ角をみて、下図59手目▲8五歩と進行。。
59手目▲8五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 歩
△鈴木九段: 歩
5筋での歩交換の流れで
永瀬二冠は自陣の囲いを「銀冠」にシフトすると
互いの玉が居を構える8筋の位を確保しました。。
この手をみて、鈴木九段は。。
60手目△5五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 歩
△鈴木九段: なし
5筋に歩を打ち、位を確保。。
こちらは中央に拠点を張りました。。
91手目▲4五金。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 歩3
△鈴木九段: 歩2
互いに拠点を作ったところで、再び膠着状態に。。
モッチリとしたもみ合いから、辿り着いた上図の局面で
互いに飛車を合わせた4筋で駒がぶつかりますが。。
101手目▲7六銀。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 歩4
△鈴木九段: 歩
ここでもすぐには金交換は成立せず。。
飛車交換に備えて4筋に杭を打ってから(96手目△4二歩)
鈴木九段が8筋に一本、叩きを入れると(100手目△8六歩)
永瀬二冠はこの歩を払わず、銀を7筋にかわしました。。
ここで手番の鈴木八段が、あらためて
金をぶつけつつ、飛車先を開いたのをみて。。
(102手目△5五金)
103手目▲4三飛成。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 飛、歩4
△鈴木九段: 歩
永瀬二冠はズバリと飛車を突進。。
ついに、長かった中盤の攻防に別れを告げて
盤上は熱く、いざ開戦となりました。。
鈴木九段は飛車ではなく、金を取り込み(104手目△5六金)
以下、▲6三龍~△同銀~▲2三飛~△7ニ金~▲8四歩~
△同角~▲8三歩~△9ニ玉に下図113手目▲8五桂と進行。。
113手目▲8五桂。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 銀、歩3
△鈴木九段: 飛、金、歩2
これまでの重い展開から、一転
豪快に駒が捌かれると、永瀬二冠はアクセルを踏み込み
後手玉へ激しく厳しく襲い掛かり、形勢を引き寄せます。。
126手目△9五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 銀、歩5
△鈴木九段: 金、歩2
鈴木九段は攻め合いに活路を求め
端に追い込んだ敵将へと詰め寄りますが。。
しかし。。
127手目▲6三飛成。
上図での持ち駒
▲永瀬二冠: 銀2、歩5
△鈴木九段: 金、歩2
すでに読み切りの永瀬二冠は
握った手番で躊躇なく、飛車切りを敢行。。
悠々と勝負を決めに行きます。。
【 投了図・133手目▲6七歩 】
投了図での持ち駒
▲永瀬二冠: 銀、歩5
△鈴木九段: 金、歩3
鈴木九段の意地の反撃を
永瀬二冠があっさりと歩を打ち阻止した
上図の局面で、鈴木九段は成す術なく
無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後6時4分。
息の長い指し回しから、さすがの切れ味をみせつけた
永瀬二冠が見事な完勝で、リーグ戦白星発進を決めました。
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Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
さすがの切れ味。。本日は第61期王位戦挑決リーグ・紅組/1回戦「永瀬二冠、恩人を一蹴」