２手目△３四歩
▲藤井九段： なし
△大石七段： なし
今回は四間のカリスマ・藤井猛九段の
直近の対局の模様をご紹介させていただきます。。
ご紹介させていただきますのは
９日に行われました第８０期Ｂ級２組順位戦の２回戦。
藤井九段は先手で大石直嗣七段と対戦しました。。
藤井九段の初手は角道を開く▲７六歩から。
対します、大石七段も２手目に同じく飛車先を突く
△３四歩と返し、対局はスタート。。
藤井九段はここで手を止め
次の３手目に５分、持ち時間を費やしてから。。
３手目▲６八飛。
上図での持ち駒
▲藤井九段： なし
△大石七段： なし
飛車に手をかけ、６筋へと振り
早速、代名詞である「四間飛車」を投入しました。。
８手目△３二飛。
上図での持ち駒
▲藤井九段： なし
△大石七段： なし
一方、後手番では振り飛車をレパートリーにする
大石七段も１筋の端歩を突いた後、上図で飛車を振り
「三間飛車」を投入、戦型は「相振り飛車」となります。。
すると、次の瞬間。。
９手目▲２二角成。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 角
△大石七段： なし
藤井九段は１分の少考で
角道オープン型の常套手段である角交換を敢行。。
早めに角を捌いて手持ちとしました。。
２２手目▲２六歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 角
△大石七段： 角
角交換成立後
両者は飛車を振り直し「相向かい飛車」に。。
上図で大石七段は飛車先２筋から突っかけます。。
２９手目▲４八金。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 角
△大石七段： 角、歩
２筋での歩交換成立後
飛車先を軽くした大石七段は自陣に手を戻し
玉を立てて「中住まい」に構えました。。
（２８手目△５二玉）
２筋を穏やかに収めた藤井九段もその間に
居玉を解除してから、金を３筋に繰り上げた
上図の局面で、午前の対局は終了となり
お昼休憩に突入します。。
【 お昼のオーダー 】
藤井九段： なし
大石七段： 豚肉のＢＢＱソテー
３７手目▲５五銀。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 角
△大石七段： 角、歩
午後の対局は組み手争いから。。
左の銀を戦場へ繰り出した藤井九段は（３１手目▲６六銀）
大石七段が浮いた歩を標的に４筋に飛車を合わせたのをみて
銀を高く繰り上げ、直接飛車を追い払うと。。
４１手目▲１七銀。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 角
△大石七段： 角、歩
爽やかに飛車を浮かせてから（３９手目▲８六飛）
右の銀を１筋の端に繰り上げ、活用を目指します。。
ここで手番の回った大石七段は
３３分の長考でじっくりと読みを入れ直してから。。
４２手目△７三角。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 角
△大石七段： 歩
手持ちの角を自陣に投入。。
戦場で突っ張る先手の銀と、背後の歩を標的に
先に形を決めて、開戦の時を待ちます。。
が、しかし。。
５３手目▲５五歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 角
△大石七段： 歩２
後手の角を４筋の歩を掠め取った後、沈黙。。
藤井九段は巧みな指し回しで模様を動かし
後手の拠点を押さえ込みます。。
５９手目▲６五角。
上図での持ち駒
▲藤井九段： なし
△大石七段： 歩２
１筋に待機していた銀も戦場に顔を出し
全駒にエンジンが掛かった藤井九段は上図の局面で
手持ちの角を、後手の角と頭をぶつける形で投入し
仕掛けの準備に取り掛かります。。
この手をみて
大石七段は２筋で銀の頭上を叩き（６０手目△２五歩）
自らを鼓舞して、先手の仕掛けに備えると。。
６３手目▲９五歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段： なし
△大石七段： 歩
後手が△２四歩（６２手目）と浮いたのをみて
藤井九段は９筋の端から仕掛けを開始しました。。
この手に対し
大石七段が△同歩（６４手目）と応じた局面で
夜戦に備えて夕食休憩に突入します。。
【 夕食のオーダー 】
藤井九段： なし
大石七段： 親子丼・上
６５手目▲８四歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段： なし
△大石七段： 歩２
夕食休憩明けの一手で
藤井九段は８筋の歩を突き合わせ、追撃開始。。
大石七段はここも△同歩（６６手目）と応じて、以下
▲７四角～△５五銀～▲９二歩～△６六銀～▲同歩～
△６七銀～▲５七飛～△８六角～▲６七飛～△７四飛に
▲９一歩成～△７三桂～下図７９手目▲７七銀と進行。。
６５手目▲８四歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段： 銀、香
△大石七段： 角、歩４
大石七段は強く反発し、そのまま開戦に至ると
藤井九段は鋭い見切りで緩急をつけながら対応し
攻守のバランスを保ちつつ、終盤戦へと誘います。。
８８手目△６六角。
上図での持ち駒
▲藤井九段： なし
△大石七段： 角、銀、歩４
藤井九段の老獪な指し回しの前に
再び大駒が押さえ込まれた大石七段は
上図で銀との交換で角切りの強手を投入。。
強引に局面打開を目指しますが。。
【 投了図・１３５手目▲３三桂 】
投了図での持ち駒
▲藤井九段： 金、銀、歩２
△大石七段： 金、桂、香、歩６
藤井九段は柔らかく、冷静に。。
盤上を支配し、後手に決め手を与えることなく
とどめ桂馬を優雅に打ち込んだ、上図の局面をみて
大石七段は万策尽き果て無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後１１時３９分。
藤井九段が攻守に存在感と魅力溢れる勝利で
今期順位戦初白星を飾りました。。
Source: 柔らかい手～個人的将棋ブログ
カリスマ健在。。第８０期Ｂ級２組順位戦/２回戦「藤井九段、快勝で初勝利」