今回は昨日放送されました
日曜午前のお楽しみ第72回NHK杯.の好カード
「行方尚史九段-服部慎一郎四段」の1回戦の模様を
振り返らせていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲服部四段: なし
△行方九段: なし
本局の先手は期待の新鋭・服部四段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、居飛車党の実力者・行方九段も2手目に
同じく飛車先を突く△8四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲服部四段: なし
△行方九段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は現代の主流「相掛かり」となりました。。
11手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲服部四段: なし
△行方九段: なし
互いに角頭を金で受け、飛車の横へ銀を立てる
おなじみの同形模様から、さらに角側の端歩を突き合った後
服部四段は淀みなく、自らの飛車先2筋の歩を突き合わせます。。
18手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲服部四段: 歩
△行方九段: なし
以下、△同歩~▲同飛の進行で歩交換が成立。。
行方九段は突進してきた先手の飛車先へ歩を打ち(14手目△2三歩)
2筋を穏便に収めると、先手が元居た場所へ飛車を引いたのをみて
7筋の歩を突いてから自らの飛車先8筋の歩を突き合わせました。。
23手目▲8七歩。
上図での持ち駒
▲服部四段: 歩
△行方九段: 歩
同じ手順で8筋でも歩交換が成立。。
服部四段は事前に突いた4筋の歩に銀のヒモをつけてから
8筋に歩を打ち、後手の飛車に移動を勧告します。。
31手目▲7六歩。
上図での持ち駒
▲服部四段: 歩
△行方九段: 歩
飛車を8四の地点へ、玉を「中住まい」に玉を構えた
行方九段が角道を開いたのをみて(30手目△3四歩)
居玉のまま自陣低くに構える服部四段は、上図の局面で
後手の拠点である7筋の歩を突き合わせ、角道を開きます。。
この手に対し、行方九段は
同歩とは応じることなく、銀を立てると。。
(32手目△7四銀)
36手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲服部四段: 歩
△行方九段: 歩
直後に7筋の歩を取り込んだ服部四段が、次に
前に出た銀の頭上へ歩を突き立てたのをみて(35手目▲7六歩)
行方九段は銀を逃げずに飛車先から突っかけ、捌きを狙います。。
服部四段は堂々と銀を取り込み(37手目▲7五歩)、以下
△8七歩成に▲8五歩~△同飛~▲7六銀打~△8八「と」金~
▲8五銀~△8九「と」金~▲8二飛~△7二角~▲8四飛成~
△9九「と」金をみて、下図49手目▲3四龍と進行。。
49手目▲3四龍。
上図での持ち駒
▲服部四段: 歩
△行方九段: 桂、香、歩3
そのまま大捌きが実現しますが、いち早く
手にした銀を回転させて飛車を捕獲した服部四段が
流れるように龍の拠点を作り、ペースを握ります。。
54手目▲2四香。
上図での持ち駒
▲服部四段: 歩
△行方九段: 桂、歩3
その間に、「と」金を敵陣に残し小駒を捕獲した
行方九段は二枚の角の活用をジッと見据えながら
上図で手持ちの香車を投入し、反撃に転じますが。。
69手目▲6五銀。
上図での持ち駒
▲服部四段: なし
△行方九段: 桂2、歩3
服部四段は懐深く。。
後手の切り札である二枚の金を手厚く押さえ込みながら
分厚い攻撃軍が後手陣への圧力をジワジワと強めて行き
厳しく、確実に形勢の針を引き寄せます。。
94手目△5七香成。
上図での持ち駒
▲服部四段: 金
△行方九段: 銀、桂、歩5
苦しくなった行方九段は、上図で香車を突進。。
「来るなら来い!」と先手に首を差し出しますが。。
【 投了図・131手目▲3五金 】
投了図での持ち駒
▲服部四段: 飛、香
△行方九段: 角、金、銀3、桂、歩6
終盤戦は服部四段の独壇場。。
見せ場を一切与えることなく後手玉を打ち取り
上図の局面をみて、行方九段は為す術なく
無念の投了を告げました。。
見事な完勝で2回戦進出を決めた
服部四段の今期ここまでの成績は12戦9勝3敗(.750)。
惜しくも敗れたものの、叡王戦の挑戦者決定戦に進出を果たした
22歳の新鋭の今後への期待が高まります。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
新進気鋭は強く。。第72回NHK杯/1回戦「行方八段-服部四段を振り返ろう」