本日行われました
第6期叡王戦の挑戦者決定トーナメント/準決勝
注目の「斎藤慎太郎八段-佐々木大地五段」は
振り駒の結果、先手は斎藤八段に決定。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: なし
△佐々木五段: なし
斎藤八段の初手は角道を開く▲7六歩から。
対します、佐々木五段は2手目に飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して
斎藤八段の意向が明かされる次の3手目は。。
3手目▲2六歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: なし
△佐々木五段: なし
斎藤八段は3手目▲2六歩として
「角換わり」での勝負を指向しました。。
7手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: なし
△佐々木五段: なし
佐々木五段も「角換わり」に異存はなく
そのまま定跡手順の進行となり、迎えた上図の局面で
斎藤八段は銀を6筋に繰り上げ、後手からの角交換
あるいは角交換拒否に備えます。。
この手に対し、佐々木五段は。。
8手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: なし
△佐々木五段: 角
ズバリと角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
20手目△6三銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 角
△佐々木五段: 角
角交換成立後
両者は息を合わせて銀を中央へと繰り出す構えをみせ
「ノーマル角換わり」の定番「腰掛銀」を目指します。。
36手目△5四銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 角
△佐々木五段: 角
双方、自陣の駒を組み上げてから
先手に続いて後手も銀を中央5筋の戦場へ繰り出し
戦型はおなじみの「角換わり相腰掛銀」に決定。。
戦型が決まったところで
斎藤八段が飛車先を決め(37手目▲2五歩)
盤上に同形模様が描き出されたのをみて、佐々木五段は
手損覚悟で玉を5筋に寄せると(38手目△5二玉)。。
44手目△6三銀。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 角
△佐々木五段: 角
そのまま玉を7筋まで移動させてから(42手目△7二玉)
上図で「腰掛銀」を自陣え引き戻し、「右玉」を引き締めます。。
52手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 角
△佐々木五段: 角
後手と歩調を合わせるように
斎藤八段も「腰掛銀」を自陣へ引き戻すと
手堅く玉の「入城」を果たしてから(47手目▲8八玉)
自陣のリフォームに取り掛かります(51手目▲7八銀)。。
が、ここで手番の回った佐々木五段は機敏に
飛車先8筋の歩を突き合わせ、局面を動かします。。
58手目△6二玉。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 角
△佐々木五段: 角、歩
しかし、8筋での歩交換成立直後
斎藤八段が金を玉の頭上に乗せ手厚く収めると
佐々木五段は再び玉に手をかけ6筋へ。。
64手目△3一玉。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 角
△佐々木五段: 角、歩
さらに3筋までの大移動を敢行しますが。。
その間に左右の桂馬を跳ね、自陣を盛り上げた斎藤八段は
事前に付き合わせた4筋の歩を取り込むと(65手目▲4四歩)
次に、後手が△4九飛(66手目)と合わせたのをみて。。
67手目▲8五桂。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 角
△佐々木五段: 角、歩
斎藤八段は飛車が居なくなった8筋へ
軽快に桂馬を跳ね上げ、仕掛けを開始します。。
佐々木五段は△同桂(68手目)と応じて、以下
▲同歩~△5三桂~▲2四歩~△同銀~▲8四歩~
△6五歩~▲同歩~△8六歩~▲同金~△6五桂をみて
▲6八角~△5五歩~下図81手目▲6六歩と進行。。
81手目▲6六歩。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 桂、歩2
△佐々木五段: 角、歩2
桂交換成立後
佐々木五段はがむしゃらな反撃に転じ
何とか模様を動かしに局面打開を目指しますが、しかし
強大な陣形を築いた斎藤八段は余裕の対応。。
上図で後手の拠点の桂馬の頭上へ歩を突き立て
涼しげに、さらなる仕掛けを催促しました。。
93手目▲4四桂。
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 歩3
△佐々木五段: 角、歩2
佐々木五段はアヤをつけるべく
必死に食らいつきますが、形勢には響かず。。
優勢を意識する斎藤八段は、上図で厳しく桂馬を投入。。
激痛の金の両取り掛け、勝負を決めに出ました。。
【 投了図・103手目▲6五歩 】
上図での持ち駒
▲斎藤八段: 金、桂、歩6
△佐々木五段: 桂
最後は後手の猛攻を捌いてから
斎藤八段が拠点の桂馬を刈り取った、上図の局面で
佐々木五段は万策尽き果て、無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後3時25分。
好守に一切、つける隙を与えることなく精鋭を完封した
斎藤八段が颯爽と、挑戦者決定戦進出を決めました。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
冷酷なる圧勝。。第6期叡王戦・本戦/準決勝「斎藤八段、完封勝利で決勝戦進出」