来期は主役に。。第59期王位戦・挑戦者決定リーグ・白組/2回戦「豊島八段-千田六段を振り返ろう」

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第58期王位戦中継サイト
第59期挑戦者決定リーグ対戦表

 

 

 

 

2017年度も本日が最終日。

昨日行なわれました第59期王位戦・白組/2回戦

注目の「豊島将之八段-千田翔太六段」の模様にて

今シーズンを締め括らせていただきます。

 

 

 

2手目△8四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: なし

△千田六段: なし

 

先手は豊島八段。

その初手は角道を開く▲7六歩から。。

対します、千田六段は2手目に飛車先を突く

△8四歩と返して、対局はスタート。。

 

早々と居飛車を明示し

戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して

豊島八段の作戦が明らかとなる、次の3手目は。。

 

 

 

3手目▲2六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: なし

△千田六段: なし

 

豊島八段は3手目▲2六歩として

現在、プロの将棋の相居飛車で主流となっている

「角換わり」での勝負を指向しました。。

 

 

 

9手目▲6八銀。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: なし

△千田六段: なし

 

千田六段も「角換わり」に文句なし。

そのまま定跡手順の進行となり、上図の局面で

豊島八段が銀を6筋に上げて、後手からの角交換

あるいは角交換拒否に備えると。。

 

 

 

10手目△7七角成。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: なし

△千田六段: なし

 

千田六段はすかさず角交換を敢行。

手損のない「ノーマル角換わり」となりました。

 

 

 

20手目△6三銀。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: なし

△千田六段: なし

 

角交換成立後

両者は右銀を中央5筋へと繰り出す動きをみせ

「ノーマル角換わり」の定番である「腰掛銀」を

息を合わせて目指します。。

 

 

 

31手目▲2九飛。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角

△千田六段: 角

 

しかし、銀を戦場に繰り出す前に

自陣の駒組みに一手間かけるのが現代の「角換わり」。

豊島八段は上図で、飛車を自陣最下段へと引き下げて

最新形の「△6八玉+4八金+2九飛」型に構えました。。

 

一方の千田六段も、この手をみて

同じく飛車を自陣最下段へと引き下げると。。

(32手目△8一飛)

 

 

 

34手目△6三銀。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角

△千田六段: 角

 

入れ替わりに金を立て、先手と同様に

「△4ニ玉+6ニ金+8一飛」型に駒を組みます。。

 

 

 

38手目△4四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角

△千田六段: 角

 

直後に両者は銀を中央5筋に繰り出し

戦型はおなじみ「角換わり相腰掛銀」に決定。。

豊島八段が飛車先を決めて(37手目▲2五歩)

千田六段が4筋の歩を突いた、上図から次に。。

 

 

 

39手目▲4五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角

△千田六段: 角

 

豊島八段は争点となる

4筋の歩をつき合わせ、仕掛けを開始しました。。

 

千田六段は△同歩(40手目)と応じて、以下

▲同銀に△5五銀~▲2四歩~△同歩~▲2五歩~

△4七歩~▲3八金~△2五歩~▲7五歩~△4八歩成~

▲同金をみて、下図52手目△4四歩と進行。。

 

 

 

52手目△4四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角、歩

△千田六段: 角、歩

 

メリハリの利いたやりとりの後

千田六段は4筋で、先手の銀を詰ませました。。

 

 

 

53手目▲2ニ歩。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角

△千田六段: 角、歩

 

銀を詰まれた豊島八段の切り返しは▲2ニ歩。

後手の桂頭を叩くと、そのまま銀・桂交換が成立します。

 

 

 

59手目▲5六桂。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角、香

△千田六段: 銀

 

駒得となり構成を強める千田六段が、先に

手持ちの角を盤上に投入しますが(58手目△7四角)

豊島八段は捕獲した桂馬を投入し、角道を止めると。。

 

 

 

63手目▲4五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角、香、歩2

△千田六段: 銀、歩

 

後手が8筋に入れた叩きを手抜いて

オリジナルの右桂も跳躍させて、現代将棋らしく

飛び道具である二枚の桂馬を攻守の基点としました。。

 

 

 

70手目△4七銀。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 角、香、歩

△千田六段: なし

 

しかし、千田六段も一歩も引かずに畳み掛け

一気呵成に先手陣攻略を狙います。。

 

 

 

84手目△6五桂打。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 香2、歩

△千田六段: 歩2

 

後手猛攻に、専守防衛で耐え忍ぶ

豊島八段が投入した自陣角も(73手目▲8七角)

9筋の端攻めで封じ込め、千田六段はさらなる連打で

勝負を決めに出ますが。。

 

 

 

103手目▲7五香。

 

上図での持ち駒

 

▲豊島八段: 桂2、歩3

△千田六段: 桂

 

普段は鋭い攻めで魅せる豊島八段ですが

本局では強靭な腰の重さと受けの強さを遺憾なく発揮。。

後手の攻めをことごとく弾き返しながら、形勢を引き寄せます。

 

【 投了図・113手目▲7七金 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲豊島八段: 桂2、歩4

△千田六段: 桂、歩2

 

重厚なねじり合いも、豊島八段は突破を許さず。

上図の局面をみて、遂に千田六段は為す術を無くし

無念の投了を告げました。。

 

王将戦は奪取成らず、A級はプレーオフ敗退と

主役の座を掴み損ねた、悔しい今期の最終戦で

しぶとさと逞しさ、そして強さをみせつた豊島八段が

来期こその想いを胸に、見事な白星を飾りました。。

 

 

□□□

 

勝負はこれから。。

 

積み上げながら。。開幕、そして閉幕

 

 

 

 

□□□

 

舞台は総本山、東京・将棋会館にて

 

棋王戦/第5局開幕前夜

 

 

□□□

 

黄金カードは羽生竜王に凱歌

 

 

 

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来期のNHK杯で夢のカードが。。

 

「1回戦で藤井六段-今泉四段が実現」

 

 

 

 

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詰将棋界最大の祭典

第15回詰将棋解答選手権に神童登場

 

「藤井六段、貫禄の4連覇達成」

 

 

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前代未聞のプレーオフがついに決着

 

【速報版】「名人挑戦者は羽生竜王に決定!」

 

 

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NHK杯/決勝では山崎八段が天才の煌き

 

らしさ存分。。「山崎八段、2度目の制覇成る」

 

 

 

 

□□□

 

「将棋界の一番長い日」は劇的なフィナーレ。。

 

因縁の鬼勝負は劇的な終結

 

A級/最終戦「渡辺棋王-三浦九段は角換わり」

 

 

 

□□□

 

ふさわしき、伝説の始まり

 

 

午前の準決勝では羽生竜王に勝利!

 

歴史的初手合い「羽生竜王-藤井五段」実現

 

藤井六段今期成績一覧

 

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Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
来期は主役に。。第59期王位戦・挑戦者決定リーグ・白組/2回戦「豊島八段-千田六段を振り返ろう」