3連覇を目指す藤井聡太棋聖に
新時代のオンリーワン・永瀬拓矢王座が挑戦する
第93期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負。
開幕戦を永瀬王座が制して迎えた注目の第2局が
今週の水曜日(15日)、新潟県は新潟市にございます
「高志の宿 高島屋」にて行われました。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: なし
△藤井棋聖: なし
本局の先手は永瀬王座。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、藤井棋聖も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタートとなりました。。
9手目▲8八銀。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: なし
△藤井棋聖: なし
互いに居飛車を明示する出だしから
いざ、「角換わり」を目指す定跡手順の進行となり
迎えた迎えた上図の局面で、永瀬王は銀を8筋に開き
後手からの角交換を注文します。。
この手をみて、藤井棋聖は。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: なし
△藤井棋聖: 角
ノータイムで角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
23手目▲9五歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 角
△藤井棋聖: 角
角交換成立後、同形模様の進行から
藤井棋聖が「腰掛銀」模様に見据えると(22手目△6三銀)
永瀬王座は9筋の端歩を突き越す趣向を披露します。。
35手目▲3八金。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 角
△藤井棋聖: 角
藤井棋聖はケレン味なく
銀を5筋の戦場へ繰り出し、「腰掛銀」に構えてから
自陣を「△4二玉+6二金+8一飛」型を完成。。
一方、ここまで銀を自陣に保留する
永瀬王座は金を4筋ではなく3筋に繰り上げると
次の△4一玉(36手目)をみて。。
37手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 角
△藤井棋聖: 角
同じく銀を5筋の戦場に構え
戦型はおなじみの「角換わり相腰掛銀」に決定。。
戦型が決まったところで
玉を3筋に寄せ、「入城」に目処をつけた(38手目△3一玉)
藤井棋聖は次に、永瀬王座が4筋の位を張ったのをみて。。
(39手目▲4五歩)
40手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 角
△藤井棋聖: 角
藤井棋聖は18分の考慮で
8筋の歩を突き合わせ、飛車先から仕掛けを開始しました。。
永瀬王座は▲同銀(41手目)と応じて、以下
△6五銀~▲同銀~△同桂~▲4七銀に△1三角~
▲4八角~△4四歩~▲1五歩をみて、下図50手目
△4六銀と激しく進行。。
50手目△4六銀。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 歩
△藤井棋聖: なし
銀交換を成立させつつ、戦場へ桂馬をぶら下げた
藤井棋聖が、互いに手持ちの角を自陣へ投入した直後
その角のライン上へガツンと銀を打ち込んだ、この局面で
午前の対局は終了となり、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のメニュー 】
永瀬王座: うな重、プランタン、アイスコーヒー、抹茶
藤井棋聖: にぎり寿司
53手目▲6六歩。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 銀、歩
△藤井棋聖: 銀
午後の対局開始の一手で
4筋で銀交換を成立させた(52手目△4六銀~▲同角)
永瀬王座は握った手番で6筋の歩を突き出し、桂馬を捕獲。。
まずは駒得を確定させ、後手に揺さぶりをかけます。。
62手目△4七銀。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 桂、歩
△藤井棋聖: 歩2
しかし、この進行は覚悟の上と
藤井棋聖は受けには回らず強く踏み込み
一気呵成に終盤戦へと突き進みます。。
87手目▲1九飛。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 角、香
△藤井棋聖: 金、桂、歩6
強く前に出た後手に対して
永瀬王座は1筋の端を起点に反撃開始。。
敵将を縛りつけ、したたかに勝利を狙います。。
113手目▲3二金。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 角2、歩
△藤井棋聖: 金2、銀2、桂、歩5
互いに一歩も引かない
ハイレベルにしてギリギリの熱き攻防戦の末に
永瀬王座は上図で王手・飛車取りの大技を決め
勝負を決めに行きますが。。
116手目△9七銀。
上図での持ち駒
▲永瀬王座: 飛、角2、歩
△藤井棋聖: 金2、銀、桂、歩5
藤井棋聖は金を払わず、玉を1三の地点へかわすと
飛車を渡して握った手番で、敵陣9筋へ銀をタダ捨て。。
鬼の勝負手を連発し、こちらも勝負を決めに行きます。。
【 投了図・138手目△6七角成 】
投了図での持ち駒
▲永瀬王座: 角、銀2、桂、歩
△藤井棋聖: 金2、歩5
果たして、どの地点から読み切っていたのか。。
激闘に終止符を打ったのは、藤井棋聖でした。。
先手の寄せを凌ぎ、敵将を手厚く受けなしに追い込んだ
上図の局面をみて、永瀬王座は無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後7時21分。
終盤で相手をねじ伏せ、圧巻の勝利を飾った
藤井棋聖が番勝負を1勝1敗のタイとしました。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
鬼の勝負手。。第93期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負/第2局を振り返ろう