藤井聡太棋聖への挑戦権を懸けた
注目の大一番、第93期棋聖戦挑戦者決定戦
「渡辺明名人-永瀬拓矢王座」の一戦が、本日
総本山の東京・将棋会館にて行われています。。
振り駒で決まる手番で
幸先良く先手を得たのは、渡辺名人でした。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: なし
△永瀬王座: なし
渡辺名人の初手は角道を開く▲7六歩から。。
対します、永瀬王座は2手目に飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を名人に委ねた王座に対して
渡辺名人の意向が明かされる、次の3手目は。。
3手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: なし
△永瀬王座: なし
渡辺名人はノータイムで
3手目▲6八銀とし、大一番は将棋の看板戦法で
自身も主戦に据える「矢倉」での勝負を指向しました。。
14手目△7三桂。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: なし
△永瀬王座: なし
しかし、確立された定跡手順は踏襲せず。。
居玉のまま早々と飛車先を決めた名人に対して
永瀬王座も居玉のまま桂馬を跳ね上げ早い攻めを見せる
序盤は現代調に駒組みが進行します。。
上図から次に、渡辺名人は5筋の歩を突き
ラインを変えた角の前方を開くと(15手目▲5六歩)
永瀬王座が先に居玉を解除したのをみて。。
(16手目△4一玉)
17手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: なし
△永瀬王座: なし
渡辺名人はノータイムで
大駒の利きが重なる2筋の歩を突き合わせ
あっけらかんと仕掛けを開始しました。。
29手目▲6九玉。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 歩
△永瀬王座: なし
以下、△同歩~▲同角の進行で歩交換が成立。。
永瀬王座が2筋を穏便に収めたのをみて(20手目△2三歩)
渡辺名人は角を4六の地点に構えて攻守の拠点に据えると
桂馬で角頭をカバーしてから居玉を解除しました。。
42手目△3一角。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 歩
△永瀬王座: なし
その後、局面は落ち着きを取り戻し
両者は呼吸を合わせながら自陣の駒組みを進めます
「矢倉囲い」を完成させた渡辺名人に対して
永瀬王座も角のラインを変えた、上図の局面で
午前の対局は終了、昼食休憩突入となりました。。
【 お昼のオーダー 】
渡辺名人: 黒胡麻香る豚肉と春キャベツの回鍋肉(A定食)
永瀬王座: 山かけそば、納豆オムレツ単品(キムチ入り)
バナナ3本、ドリップコーヒーのベンティ
49手目▲8八玉。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 歩
△永瀬王座: なし
午後の対局開始となっても
両者は入念に自陣の駒組みを進行させ
上図の局面で、渡辺名人は「矢倉囲い」の中へ
手堅く玉の「入城」を完了しました。。
64手目△6五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 歩
△永瀬王座: なし
さらに、それぞれ二枚の金・銀を連結させて
より堅くて遠い「穴熊」への組み替えをみせる名人に対し
永瀬王座は上図で6筋の歩を突き出し、角道を開けつつ
機敏な仕掛けで局面を動かしに出ました。。
しかし、この手に対し渡辺名人は
ほんの1分の少考で玉を穴熊へ納め(65手目▲9九玉)
掛かって来い!と、後手に手番を渡しました。。
66手目△4五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 歩
△永瀬王座: なし
ならば、と永瀬王座は9分の考慮の後
4筋の歩を突き出し、強く追撃を開始します。。
渡辺名人は▲6八角(67手目)と深く引き下げ、以下
△6四角~▲2七飛~△6六歩~▲同金~△6五歩~
▲6七金引~△3三桂~▲2六歩に△5二金~▲8八銀引~
△4四銀をみて、下図79手目▲4六歩と進行。。
79手目▲4六歩。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 歩
△永瀬王座: なし
テンポの良い仕掛けで攻撃の形を整えた
永瀬王座が自陣に手を戻したところで、名人は
4筋の歩を突き合わせ、ここで反撃に転じます。。
90手目△8六同角。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 歩2
△永瀬王座: 角、歩
しかし、永瀬王座はすぐに反転速攻へ。。
9筋の端歩を突き捨ててから、上図で飛車先8筋で
ズバリと角交換を成立させると。。
92手目△4九角。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 角、歩2
△永瀬王座: 歩2
手にしたばかりの角をすかさず敵陣の急所へ投入。。
流れるような駒捌きで、華麗に終盤戦の幕を開きました。。
116手目△2四玉。
上図での持ち駒
▲渡辺名人: 角、桂、歩4
△永瀬王座: 桂、歩3
渡辺名人は直後に桂交換を成立させると
飛車を起点に攻め合いの勝負に出ますが、しかし
永瀬王座はその飛車を追いながら主導権を握ると
満を持して玉の上部脱出を狙います。。
形勢は後手優勢。。
新世代のオンリーワン・永瀬王座が、強かに
藤井聡太棋聖が待つ番勝負へとひた走ります。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
第93期棋聖戦挑戦者決定戦「強かに、永瀬王座優勢で終盤戦突入。。」