48手目△6二金。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、歩
△藤井二冠: 角、歩
昨日の日曜日に行われました
第80期B級1組順位戦/3回戦の好カード
注目の「藤井聡太二冠-屋敷伸之九段」は
上図の局面で夕食休憩に突入。。
戦型は「相掛かり」
屋敷九段が「千日手」模様を角交換で果敢に打開した後
来るべき本格開戦へ向けて、双方自陣の駒組みを整備し
午後6時40分、夕食休憩明けの対局を迎えます。。
51手目▲7九玉。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、歩
△藤井二冠: 角、歩
夕食休憩明けの一手で
6筋の歩を突いた屋敷九段は(49手目▲6六歩)
藤井二冠が飛車を自陣最下段に引き下げ(50手△8一飛)
バランスを取ったのをみて、玉を7筋に寄せ囲いを目指します。。
55手目▲6七金右。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、歩
△藤井二冠: 角、歩
玉の「入城」を果たす前に
屋敷九段は上図で「矢倉囲い」を完成。。
この手に対し、藤井二冠は4筋の歩を突くと
次の▲5六歩(57手目)をみて。。
58手目△6五歩。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、歩
△藤井二冠: 角、歩
藤井二冠は10分の考慮の後
6筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始します。。
63手目▲7七桂。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、歩2
△藤井二冠: 角、歩
以下、▲同歩~△同桂の進行で
戦場に馬の拠点を作った藤井二冠に対して
屋敷九段は上図ですかさず桂馬を合わせ
桂交換を注文しました。。
この手に、藤井二冠は
同じく10分の考慮で気息を整えると。。
64手目△7七同桂。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、歩2
△藤井二冠: 角、桂、歩
藤井二冠は先手の注文を受けて立ち
桂馬交換を成立させます。。
屋敷九段は▲同銀(65手目)と応じて、以下
△7五歩~▲同歩に△3九角~▲3八飛~△7五角成~
▲3五歩~△同歩~▲3四歩~△同銀~▲3五銀をみて
△同銀~▲同飛~下図78手目△6五馬と進行。。
78手目△6五馬。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、銀、桂、歩2
△藤井二冠: 銀、桂、歩4
桂交換成立後
機敏に馬を作り新たな拠点とした藤井二冠は
屋敷九段が飛車先で銀交換を成立させ反撃に出ると
藤井二冠はジッと馬を6筋に寄せ、攻守に利かせます。。
懐深い神童の妙手を前に
ここで手番の回った屋敷九段は、次に。。
79手目▲3三歩。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、銀、桂、歩
△藤井二冠: 銀、桂、歩4
4分の少考で3筋に歩を打ち込み
拠点に据えた飛車先から強く踏み込みます。。
90手目△6六桂。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 銀2、桂
△藤井二冠: 金、銀、歩5
しかし、藤井二冠も受けには回らず強く応戦。。
先手の飛車・金両取りに対し(89手目▲7二角)
拠点の馬の頭上へ手持ちの桂馬を厳しく打ち込み
互いに一歩も引かずに熱き終盤戦へと突入します。。
すると。。
104手目△4八銀。
上図での持ち駒
▲屋敷九段: 角、金、銀、桂2
△藤井二冠: 銀、歩6
藤井二冠の攻め手がしなやかに伸び
途切れることのない猛攻で先手玉へ鋭く迫り
一気呵成に形勢の針を引き寄せました。。
【 投了図・130手目△3七銀成 】
投了図での持ち駒
▲屋敷九段: 飛、角、金、銀、桂
△藤井二冠: 歩6
屋敷九段も捨て身の反撃に転じ
最後まで攻め合いに活路を求めますが、しかし
神童が先手の猛攻を凌ぎ、圧倒的な寄せに入ると
上図の局面で屋敷九段は無念の投了を告げました。。
終局時刻は午前0時41分。
深夜に及んだ熱戦を緩まず見事な完勝を飾った
藤井二冠が順位戦成績を2勝1敗としました。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
第80期B級1組順位戦/3回戦「藤井二冠-屋敷九段の終盤戦を振り返ろう」