今回は13日に実現しました
第6期叡王戦の九段戦/2回戦屈指の好カード
「郷田真隆九段-木村一基九段」の一戦の模様を
ご紹介させていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△郷田九段: なし
本局の先手は木村九段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、郷田九段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△郷田九段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
現代将棋界が誇る居飛車の強豪同士の一戦は
「相掛かり」となりました。。
10手目△7四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△郷田九段: なし
互いに角頭を金で受け、飛車の横腹に銀を立てる
おなじみの同形模様の進行から、木村九段が居玉を解除し
「▲6八玉」型に構えたのをみて、郷田九段は追随せずに
7筋の歩を突き、銀・桂の活用を目指しました。。
すると、次の瞬間
11手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△郷田九段: なし
木村九段は2筋の歩を突き合わせ
先に飛車先での歩交換を仕掛けました。。
15手▲7四飛。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩2
△郷田九段: なし
以下、△同歩~▲同飛の進行で歩交換が成立すると
郷田九段が2筋を穏やかに収めたのをみて(14手目△2三歩)
木村九段は飛車を引かずに7筋へと振り、貴重な一歩を補充し
飛車のポジションを変え、後手の駒組みをけん制します。。
この手に対し
郷田九段はすぐに銀を立て(16手目△7三銀)
木村飛車を直接追い払うと(17手目▲7六飛)。。
22手△8六歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩2
△郷田九段: なし
銀を6筋の戦場へと繰り出し(20手目△6四銀)
飛車を2筋に戻した木村九段が、角道を開いたのをみて
自らの飛車先8筋の歩を突き合わせました。。
34手△4四銀。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩2
△郷田九段: 歩
同じ手順で8筋でも歩交換が成立すると
両者は再び自陣の駒組みへと取り掛かり
上図で4筋に「銀対抗」形が描き出されます。。
ここで手番の木村九段は、次に。。
35手▲3五銀。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩2
△郷田九段: 歩
戦場の銀を3筋へと繰り上げ
爽やかに、無頼な剣豪へ銀交換を迫りました。。
郷田九段は強く△同銀(36手目)と応じて、以下
▲同歩~△4四銀~▲3六飛~△3一角~▲9六歩に
△6五銀~▲3三桂~△6四角~▲7五銀~△5五銀~
▲4八角をみて、下図48手目△8八角成と進行。。
48手△8八角成。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩2
△郷田九段: 角、歩
先手の仕掛けを受けた立った郷田九段は
銀交換成立後、角を機微に戦場へと迫り出すと
前後際絶、角交換を敢行し局面を動かします。。
が、しかし。。
61手▲5三角。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩
△郷田九段: 角、歩3
手にした角を
先に盤上へ投入したのは、木村九段でした。。
細かく手を繋ぎ、後手の陣形を動かしてから
5筋の好所へ打ち込み、馬作りを狙います。。
積極策が裏目に出た形となった
郷田九段は銀を引き下げ(62手目△6三銀)
6筋の歩を守りつつ、角成りを阻止しますが。。
63手▲3五角成。
上図での持ち駒
▲木村九段: 銀、歩
△郷田九段: 角、歩3
木村九段は返す刀で、見切り良く
もう一方の銀を捕獲しあっさり角を切ると。。
【 投了図・91手目▲5三金 】
終了図での持ち駒
▲木村九段: 飛、歩
△郷田九段: 角、金2、銀、桂、歩4
そのまま鬼の勝負師・木村九段の手が華麗に伸びて
鮮やかに後手玉を仕留め上げ、さすがの郷田九段も
為す術なく、上図の局面で無念の投了を告げました。。
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Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
歴戦の好カード、第6期叡王戦・九段戦/2回戦「郷田九段-木村九段を振り返ろう」