成熟の強さ。。第31期女流王位戦5番勝負/第3局「里見女流王位、ストレート勝利で防衛達成」

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初防衛を目指す里見香奈女流王位に

加藤桃子女流三段が挑戦する、第31期女流王位戦。

 

5番勝負はここまで2局を消化し、里見女流王位が2連勝。

通算6期目となる防衛に王手をかけて迎えた大一番/第3局が

本日、西の聖地・関西将棋会館にて行なわれました。

 

 

 

女流王位戦/第3局・直前レビュー

 

 

 

 

2手目△3四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△加藤女流三段: なし

 

本局の先手は里見女流王位。

その初手でいきなり中央5筋の歩を突き

振り飛車投入を示唆しました。。

 

対します、カド番でもう後のない加藤女流三段は

2手目に角道を開く△3四歩と返し、対局はスタート。。

 

 

 

3手目▲5八飛。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△加藤女流三段: なし

 

続く3手目に、里見女流王位はノータイムで

飛車に手をかけると、歩を突いた5筋へと振り

大一番で得意の「中飛車」を投入しました。。

 

この手をみて、加藤女流三段もノータイムで

飛車先の歩を突き居飛車を明示(4手目△8四歩)。。

戦型は「対抗形」となりました。。

 

 

 

23手目▲1ニ香。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△加藤女流三段: なし

 

互いに飛車のポジションが決まると

次に、両者は息を合わせて玉の囲いを目指します。。

 

5筋の位に銀の利きを足してから

里見女流王位は振り飛車の相棒「美濃囲い」を完成。

一方、加藤女流三段は上図で1筋の香車を一段上げて

振り飛車の天敵「穴熊」を明示しました。。

 

 

 

40手目△7四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△加藤女流三段: なし

 

大一番らしく、まずはじっくりと駒組みが進行し

里見女流王位は金を連ねて「高美濃」へとシフト。。

 

その間にガッチリと「穴熊」を組み上げた

加藤女流三段は上図で飛車のコビンを開くと、次に

里見女流王位がこの歩目掛けて、銀を繰り上げたのをみて。。

(41手目▲6五銀)

 

 

 

42手目△8六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△加藤女流三段: なし

 

飛車先8筋の歩を突き合わせ

気合も十分に、先に仕掛けを開始しました。。

 

里見女流王位はすぐに▲同歩(43手目)と応じて、以下

△8四飛~▲8八飛~△7三桂~▲6六角~△7五歩~
▲5六銀~△5四歩~▲7五歩に△5五歩~▲同銀をみて
下図54手目△6五桂と進行。。

 

 

 

54手目△6五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 歩3

△加藤女流三段: 歩

 

互いの飛車が8筋で向かい合うと
加藤女流三段が「穴熊」の堅さにものを言わせて
積極的に駒を前に出し、上図で桂馬を戦場に跳躍させます。。

 

しかし、ここで手番の回った里見女流王位は
後手の飛車先へ歩を突きたてると(55手目▲8五歩)
加藤女流三段が△8一飛と引き下げたのをみて。。

 

 

 

57手目▲1四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 歩3

△加藤女流三段: 歩

 

返す刀で敵将が眠る1筋の端歩を突き合わせ
里見女流王位も強気の反撃に転じました。。

 

 

 

63手目▲2六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 歩2

△加藤女流三段: 歩3

 

午前の対局は上図63手目まで進行。

後手陣の1筋を吊り上げた里見女流王位が

拠点の桂馬の背後に歩をあてがった局面で
昼食休憩に突入します。。

 

【 お昼のメニュー 】

 

里見女流王位

 

海老フライ&クリームコロッケ盛合せ(白米半分)

 

加藤女流三段

 

特上うな重(白米半分)

 

 

 

65手目▲4四銀。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 歩3

△加藤女流三段: 歩3

 

午後の対局開始の一手で
加藤女流三段は玉を一段上げて(64手目△1二玉)
先手の攻めに備えますが、里見女流王位は構うことなく
銀をガツンと金にぶつけて、強くアクセルを踏み込みます。

 

 

 

77手目▲4四銀。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 金、桂、歩3

△加藤女流三段: 角、銀、歩3

 

そのままいざ、開戦となると
里見女流王位の攻め手が端からグングン伸びて
盤上は一気に、終盤戦へと突入します。。

 

 

 

96手目△5七角成。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 金、歩2

△加藤女流三段: 桂、香2、歩4

 

先手の厳しい踏み込みの前に「穴熊」が崩壊した
加藤女流三段は上図で二枚の角を敵陣にねじ込み
懸命に食らいつき、勝利への執念を燃やしますが。。

 

女流王位戦/第3局の棋譜中継はこちら

 

【 投了図・143手目▲2三銀 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 角、金2、桂

△加藤女流三段: 角、銀、桂、香2、歩8

 

形勢リードを自覚する里見女流王位は
自陣に侵入した後手の二枚角を成算してから
渾身の寄せに入ります。。

持ち時間を使い切り、1分将棋に突入してもなお
最善を尽くし最後まで全力で戦った加藤女流三段でしたが
上図の局面でついに力尽き、無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午後6時59分
この瞬間、里見女流王位が番勝負無傷の3連勝を飾り
見事、女流王位防衛を達成しました。

 

□□

 

女流将棋の第一人者
里見女流王位の強さの源は詰め将棋。

 

詰将棋を解きながら
「出雲のイナズマ」の真髄を体感しよう☆

 

 

 

 

 

 

Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
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