今回も先週の土曜日に行なわれました
第61期王位戦挑戦者決定リーグ・最終戦の中から
「豊島将之竜王・名人-佐々木大地五段」の模様を
振り返らせていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: なし
△豊島竜王・名人: なし
勝者にはプレーオフ進出の目が残る
本局の先手は、長崎が生んだ大器・佐々木五段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、いよいよ名人戦が開幕し直後に叡王戦も控える
ここから大一番連発で過密日程とも戦う、豊島竜王・名人も
2手目に同じく飛車先を突く、△8四歩と返し対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: なし
△豊島竜王・名人: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
豊島竜王・名人が佐々木五段の得意を受けて立つ形で
戦型は「相掛かり」となりました。。
10手目△5ニ玉。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: なし
△豊島竜王・名人: なし
互いに角頭を金で受け、飛車の横腹に銀を立てる
おなじみの同形模様の進行から、次に佐々木五段が
9筋の端歩を突くと、豊島竜王・名人は受けることなく
玉を立て、「中住まい」に構えました。。
この手をみて
佐々木五段も居玉を解除し、6八玉型に構えます。。
(11手目▲6八玉)
15手目▲7六歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: なし
△豊島竜王・名人: なし
次に、両サイドの端歩を丁寧に突き合ってから
佐々木五段が角道を開いた、次の瞬間。。
16手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: なし
△豊島竜王・名人: なし
豊島竜王・名人はノータイムで
飛車先8筋の歩を突き合わせました。。
19手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 歩
△豊島竜王・名人: 歩
以下、▲同歩~△同飛の進行で歩交換が成立すると
佐々木五段は突進してきた後手の飛車先を受けずに
すかさず自らの飛車先2筋の歩を突き合わせました。。
36手目△3三角。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 歩2
△豊島竜王・名人: 歩
同じ手順で2筋でも歩交換が成立。。
互いに相手の飛車先をおさめると、上図の局面で
豊島竜王・名人は角を3三の地点へと繰り上げ
先手からの角交換を打診します。。
しかし、佐々木五段は注文に応じずにジッと
4筋の歩を突いたのをみて(37手目▲4六歩)。。
38手目△9五歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 歩2
△豊島竜王・名人: 歩
豊島竜王・名人は31分の長考の末に
9筋の歩を突き合わせ、端から仕掛けを開始します。。
44手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 香、歩3
△豊島竜王・名人: なし
9筋の香車を捌いて味をつけた(42手目△9八歩)
豊島竜王・名人は続けて飛車先から畳み掛けます。。
46手目△8六同飛。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 香、歩4
△豊島竜王・名人: 歩
再び後手の飛車が突進し
8筋で歩交換が成立した、上図の局面で
午前の対局は終了、お昼休憩突入となりました。。
【 お昼のオーダー 】
佐々木五段: チキン山椒焼き
豊島竜王・名人: 豚しゃぶ梅しそだれ
49手目▲9六歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 香、歩3
△豊島竜王・名人: 歩
午後の対局開始の一手で
金を立てて後手の飛車を追い払った(47手目▲7六金)
佐々木五段は9筋の香車の真下に歩をあてがってから
次の△2四歩(50手目)をみて。。
51手目▲8六歩。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 香、歩2
△豊島竜王・名人: 歩
狙われた飛車を逃げずに
後手の飛車に歩を当て、強く開戦を求めました。。
豊島竜王・名人はそつなく、香車を捕獲し(52手目△9五飛)、以下
▲2七飛~△7五飛~▲7六香に△5五飛~▲7ニ香成~△同金~
▲7八銀~△5四飛~▲7六金~△7五歩~▲6五金~△9四飛をみて
▲5六歩~△4ニ銀~▲7五金~下図68手目△9六飛と進行。。
68手目▲9六飛。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 銀、歩3
△豊島竜王・名人: 香2、歩2
守りの要・金をグイグイと前に出し
守備から攻めへの活用を目指す佐々木五段に対して
飛車を左右に振りながらタイミングを計った豊島竜王・名人は
ついに9筋から踏み込み、終盤戦の幕を開きました。。
83手目▲4四同飛。
上図での持ち駒
▲佐々木五段: 角、銀、歩2
△豊島竜王・名人: 香2、歩2
竜王・名人の懐深い指し回しにも怯むことなく
ギリギリで均衡を保った佐々木五段は、上図の局面で
飛車と角との大駒交換を成立させ、勝負に出ますが。。
【 投了図・110手目△6八金 】
投了図での持ち駒
▲佐々木五段: 角、香、歩2
△豊島竜王・名人: 桂、歩4
豊島竜王・名人が飛車・香のコンビネーションで
鋭く一気の寄せに入ると、佐々木五段の奮闘も及ばず
上図の局面をみて、無念の投了を告げました。。
この結果
豊島竜王・名人は4勝1敗で、佐々木五段は3勝2敗で
それぞれリーグ戦を終了。。
永瀬拓矢二冠が見事全勝を守り、紅組優勝を飾り
豊島竜王・名人のプレーオフ進出はかないませんでしたが
売り出し中の若手精鋭をねじ伏せ、18日に第2局を控える
名人戦/第2局へ、まずは気勢をあげました。
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渡辺明三冠との頂上決戦となった
第78期名人戦は開幕戦黒星スタート。。
虎の子の名人死守へ
時代のエースは第2局へ必勝を期します。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
第61期王位戦挑戦者決定リーグ/最終戦「豊島竜王・名人-佐々木五段を振り返ろう」