第33期竜王戦1組/決勝「羽生九段-佐藤七段の終盤戦を振り返ろう」

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第33期ランキング戦1組トーナメント表

 

 

今回は、木曜日(7日)行なわれました

注目の第33期竜王戦ランキング戦1組/決勝

「羽生善治九段-佐藤和俊七段」の模様を

終盤戦を中心に振り返らせていただきます。。

 

 

 

2手目△8四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: なし

△羽生九段: なし

 

本局の先手は、佐藤七段。

その初手は角道を開き▲7六歩から。。

対します、羽生九段は2手目に飛車先を突く

△8四歩と返し、対局をスタート。。

 

 

 

11手目▲6八飛。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: なし

△羽生九段: なし

 

早々と居飛車を明示した羽生九段に対して

佐藤七段は上図で飛車に手をかけ、6筋へと振り

振り飛車の王道である「ノーマル四間飛車」を投入。。

戦型は大方の予想通り、「対抗形」となりました。。

 

 

 

28手目△1ニ香。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: なし

△羽生九段: なし

 

双方、飛車のポジションが決まると

両者は息を合わせて玉の囲いを目指し

羽生九段は上図の局面で9筋の香車を上げて

振り飛車の天敵「穴熊」を明示しました。。

 

 

 

38手目△7五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: なし

△羽生九段: なし

 

そのままよどみなく「穴熊」を完成した

羽生九段は、その間に「金無双」を完成し角道を開けた

佐藤七段が4筋の歩を突いたのをみて(37手目▲4六歩)

すかさず7筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始します。。

 

 

 

44手目△7七角成。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 歩3

△羽生九段: 角

 

7筋に続き、8筋でも歩を突き捨てた

羽生九段がさらに4筋でも歩を突き合せると

佐藤七段は待ってましたとばかりに桂馬を跳躍。

歩を払いつつ拠点を得ました(43手目△4五同桂)。。

 

しかし、羽生九段は攻勢の手を緩めることなく

次の瞬間に角交換を敢行し、さらに模様を動かすと。。

 

 

 

50手目△3五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 角、歩3

△羽生九段: なし

 

先手の拠点の桂馬の先へ

手持ちの角を打ち込み(48手目△4四角)

堂々と形を決めてから、なおも追撃を開始。。

 

 

 

54手目△3三銀右。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 角、歩3

△羽生九段: 歩

 

後手に手に乗り乗りながら反撃のチャンスを待った

佐藤七段は飛車を合わせて8筋から逆襲に転じますが

快調に手が伸びる羽生九段は、上図で何と桂馬の利きへ

さらりと銀を繰り上げる、読みの入った一手を披露。。

 

いかにも羽生九段らしい柔らかい手に

将棋界隈から感嘆の声がもれるの中、この局面で

夜戦に備えて夕食休憩に突入します。。

 

夕食休憩前までの流れ

 

 

 

55手目▲3七歩。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 角、歩3

△羽生九段: 歩

 

夕食休憩明けの一手で

佐藤七段は拠点の桂馬と銀との交換には応じず

玉頭に吊るされた歩に歩を合わせ、嫌味を消しに出ました。。

 

この手をみて

羽生九段は△同歩(56手目)と応じると。。

 

 

 

60手目△3二飛。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 角、歩3

△羽生九段: 歩

 

佐藤七段の▲同銀(57手目)をみて

グイッと銀を前進させてから(58手目3四銀)

先手の歩の成り込みをさっとかわして(59手目▲8三歩成)

飛車を3筋に合わせ、敵将の頭上に拠点を作りました。。

 

 

 

61手目▲3三歩。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 角、歩2

△羽生九段: 歩2

 

ここで手番の佐藤七段は

拠点の桂馬を活用し、後手の飛車先へ歩を打ち込み

攻勢強める羽生九段に対し、攻め合いい活路を求めます。。

 

羽生九段は望むところと△同桂(62手目)と応じて、以下

▲7ニ「と」金~△4七歩~▲同金~△5五歩~▲3五歩~

△同銀~▲3四歩~△5六歩~▲3三歩成~△同金をみて

▲1四歩~△同歩に下図75手目△2五桂と進行。。

 

 

 

75手目▲2五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 角、歩

△羽生九段: 銀、歩5

 

佐藤七段は飛車先を開き、1筋の端に味を付けてから

二枚の桂馬を戦場に並べ、総攻撃の準備を整えました。。

 

が、しかし。。

 

「羽生九段-佐藤七段」の棋譜はこちら

 

【 投了図・86手目△2五金 】

 

 

 

投了図での持ち駒

 

▲佐藤七段: 角、銀、桂、歩2

△羽生九段: 金、銀、桂、歩4

 

強靭な「羽生穴熊」の牙城は揺るがず。。

先手が切り札に据えた二枚の桂馬を捌かせることなく

羽生九段が悠々と反撃に転じると、上図の局面をみて

佐藤七段は万策尽き果て、無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午後9時17分。

見事な構想と鮮やかな指し回しで大一番を制した

羽生九段は今期負けなしの3連勝で1組優勝を決めました。

 

 

土曜の夜のお楽しみ

本日の第3回AbemaTVトーナメントは

 

「チーム渡辺vsチーム天彦」

 

 

 

 

Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
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