12名のトップ棋士を大将に
将棋界史上初のドラフト会議で選抜された
個性豊かな棋士達が3人編成のチームを結成。。
優勝を目指し団体戦で雌雄を決する
土曜日夜のお楽しみ、第3回AbemaTVトーナメント。
先週放送されました
「チーム豊島vsチーム久保」の開幕戦は
ハイレベルな攻防と団体戦ならではの棋士の姿に
将棋界隈は大きな盛り上がりをみせました。。
今回はその中から
それぞれのチームの大将の直接対決が実現した
豊島将之竜王・名人と久保利明九段の対局の模様を
振り返らせていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲久保九段: なし
△豊島竜王・名人: なし
大将戦でありながら両者は中堅戦で激突。
AbemaTVトーナメントの名物である超早指し戦
フィッシャールールでの三番勝負を1勝1敗で迎えた
決着戦/第3局の模様をご紹介させていただきます。。
振り駒の結果、先手は久保九段に決定。
その初手は角道を開く、振り飛車含みの▲7六歩から。。
対します、豊島竜王・名人は2手目△8四歩と飛車先を突き
こちらは居飛車を明示して、対局はスタート。。
5手目▲5六歩。
上図での持ち駒
▲久保九段: なし
△豊島竜王・名人: なし
続く3手目に、久保九段は角を7七の地点に上げ
飛車の横利きを通すと、次に中央5筋の歩を突き
飛車の振り場所に含みを持たせます。。
この手に対し
豊島竜王・名人も5筋の歩を突くと。。
(6手目△5四歩)
7手目▲8八飛。
上図での持ち駒
▲久保九段: なし
△豊島竜王・名人: なし
久保九段は飛車に手をかけ、8筋へと振り
「向かい飛車」を投入、戦型は「対抗形」となりました。。
19手目▲3八銀。
上図での持ち駒
▲久保九段: なし
△豊島竜王・名人: なし
互いの飛車が8筋で向かい合ったところで
両者は息を合わせて居玉を解除し、玉の囲いを目指します。
上図の局面で、まずは久保九段が振り飛車の相棒である
「美濃囲い」を完成させました。。
32手目△3ニ銀。
上図での持ち駒
▲久保九段: なし
△豊島竜王・名人: なし
一方の豊島竜王・名人は
駒を十分に盛り上げてから、上図の局面で
玉の横に銀を立て、「左美濃」に構えます。。
この手に対し、久保九段が
9筋の香車を浮かせたのをみて(33手目▲9六香)
豊島竜王・名人が角道を開いた(34手目△4五歩)
次の瞬間
35手目▲3三角成。
上図での持ち駒
▲久保九段: 角
△豊島竜王名人: なし
久保九段はズバリと角交換を敢行。。
気合も十分、積極的に局面を動かします。。
豊島竜王・名人は△同桂(36手目)と応じて、以下
▲7一角に△8一飛~▲4四角成~△6九角~▲9八飛~
△8七角成~▲9九飛~△8八馬~▲5九飛~△4三銀~
▲6六馬をみて、下図48手目△3ニ金と進行。。
48手目△3ニ金。
上図での持ち駒
▲久保九段: なし
△豊島竜王名人: なし
角交換成立後
久保九段は握った手番ですぐに角を再投入し
馬を作りますが、豊島竜王・名人もすかさず敵陣馬を作り
先手大駒を追い払ってから、ジッと自陣を引き締めました。。
58手目△9七香成。
上図での持ち駒
▲久保九段: 銀
△豊島竜王名人: 香、歩3
しかし、久保九段は手を休めず
9筋の香車を差し出し、対価に銀を捕獲しつつ
再び馬を拠点にジワジワと攻勢を強めます。。
65手目▲7二銀。
上図での持ち駒
▲久保九段: なし
△豊島竜王名人: 歩3
豊島竜王・名人は4筋を攻めの拠点に据え
反撃のチャンスを待ちますが、上図の局面で
久保九段は手持ちの銀を敵陣の好所へ投入。。
攻防の主導権を放さず、終盤戦の幕を開くと。。
85手目▲4三角。
上図での持ち駒
▲久保九段: 銀、香、歩
△豊島竜王名人: 角、金、桂、歩5
激しい駒の捌き合いの末に
際どく回転させた角を敵の急所へ打ち込み
久保九段がいち早く寄せに出ました。。
【 投了図・99手目▲4四銀 】
投了図での持ち駒
▲久保九段: 金、香、歩3
△豊島竜王名人: 角、金、桂3、歩6
竜王・名人に粘りを与えず
久保九段はキッチリと後手玉を仕留め上げ
上図の局面で見事勝利を飾りました。。。
今泉健司四段の勝利を久保九段が繋ぎ
迎えた大将戦も、菅井竜也八段が見事勝利で締めくくり
振り飛車チームが会心の3連勝で開幕戦をものにしました。
さて本日も午後7時より
予選Aリーグの第ニ試合の模様が放送されます。。
背水の陣を敷く「チーム豊島」と
棋界の武蔵・三浦弘行九段率いる「チーム三浦」が激突。。
本日も激戦必至、土曜の夜はぜひプロ将棋をお楽しみください!
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
第3回AbemaTVトーナメントAブロック「豊島竜王・名人-久保九段の決着局を振り返ろう」