８連覇を目指す渡辺明棋王に
２２歳の超新星・本田奎五段が挑戦する
第４５期棋王戦５番勝負。
ここまで２局を消化し、ともに譲らず１勝１敗。
勝者がタイトルに王手をかける、注目の第３局が
本日、新潟県新潟市「新潟グランドホテル」にて
運命の幕を開きました。。
第３局の先手は渡辺棋王。
その初手は角道を開く▲７六歩から。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： なし
△本田五段： なし
対します、本田五段は２手目に
飛車先を突く△８四歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して
渡辺棋王の作戦が明らかとなる、次の３手目は。。
３手目▲６八銀。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： なし
△本田五段： なし
渡辺棋王は１分の少考の後
３手目▲６八銀とし、「矢倉」を指向しました。。
１３手目▲５八金右。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： なし
△本田五段： なし
しかし、確立された定跡手順の進行とはならず。
渡辺棋王は早々と飛車先を決めてから、居玉のままで
自陣の駒組みを進めて行くと。。
１６手目△７四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： なし
△本田五段： なし
本田五段も居玉のまま
上図で飛車のコビンを開き、急戦投入を示唆。。
序盤は現代的な進行となりました。。
２６手目△４四銀。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： なし
△本田五段： なし
渡辺棋王が銀を戦場へ繰り出すと（２５手目▲４六銀）
本田五段もすぐに追随、４筋に「銀対抗」形が描き出されました。
次に、桂馬を跳ねた渡辺棋王は（２７手目▲３七桂）
本田五段の△５四歩（２８手目）をみて。。
２９手目▲２四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： なし
△本田五段： なし
渡辺棋王はここも１分の少考で
自らの飛車先２筋の歩を突き合わせます。。
３８手目△５一玉。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： 歩
△本田五段： なし
飛車先の歩を切り、貴重な一歩を手持ちとした
渡辺棋王はすかさず銀を引き下げ、角道を通し
流れるような指し回しで、主導権を掴みました。。
（３５手目▲６八銀）
一方、先手の機敏な仕掛けに遅れを取った
本田五段は飛車を引き下げた後、手損覚悟で
玉を５筋に戻し、建て直しを図りますが。。
３９手目▲４五銀。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： 歩
▲本田五段： なし
渡辺棋王は暇を与えず
９分の考慮で銀を突き出し厳しく追撃を開始。。
この局面で午前の対局は終了、お昼休憩に突入。。
【 お昼のメニュー 】
渡辺棋王： 天丼
本田五段： 海の、アイスティー
４０手目△３三銀。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： 歩
△本田五段： なし
午後の対局開始の一手で
先手に気持ちよく駒を捌かれては持たないと
本田五段は銀を引き下げ、専守防衛に徹しますが。。
４１手目▲３五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： 歩
△本田五段： なし
渡辺棋王は構うことなく
３筋の歩を突き合わせ、アクセルを踏み込みます。。
本田五段は△同歩（４２手目）と応じざるをえず
以下、▲２五桂～△４四銀～▲同銀～△同歩に▲３四歩～
△２四銀～▲５五歩～△２五銀～▲同飛～△５五歩をみて
▲７五歩～△６ニ玉～▲７四歩～△同銀～▲５四歩（５７手目）。。
５７手目▲５四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： 銀２
△本田五段： 桂、歩３
渡辺棋王は圧倒的な指し回しで若き精鋭を翻弄。。
後手陣を崩壊させ、盤上をあっさりと支配しました。。
６８手目△７五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： 銀２、歩
△本田五段： 歩
それでも、本田五段は懸命に食らいつき
徹底抗戦で勝利への執念を燃やしますが。。
７５手目▲５三銀打。
上図での持ち駒
▲渡辺棋王： 銀
△本田五段： 歩
絶対王者は容赦なく
自慢の豪腕を振りかざし、勝負を決めに行きます。。
【 投了図・８１手目▲８ニ金 】
投了図での持ち駒
▲渡辺棋王： 角、金
△本田五段： 角、銀、歩２
現代将棋界最強の豪腕の洗礼をまともに受けた
本田五段は上図の局面で、無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後４時４１分。
持ち時間を１時間３８分も残して圧勝を飾った
渡辺棋王が、今シリーズの対戦成績を２勝１敗として
棋王８連覇へ圧巻の王手をかけました。。
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Source: 柔らかい手～個人的将棋ブログ
ここで豪腕爆発。。第４５期棋王戦５番勝負/第３局「渡辺棋王、圧勝で防衛に王手」