今回は昨日放送されました、日曜夜のお楽しみ
第2回AbemaTVトーナメントの1回戦注目の好カード
「渡辺明二冠-佐々木勇気七段」の三番勝負/第2局を
振り返らせていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: なし
△渡辺ニ冠: なし
第1局を渡辺ニ冠が制して迎えた第2局。
カド番でもう後のない、先手・佐々木七段の初手は
飛車先を突く▲2六歩から。対します渡辺ニ冠も2手目に
同じく飛車先を突く△8四歩と返し、対局はスタート。。
7手目▲7七角。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: なし
△渡辺ニ冠: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決めると
そのまま「角換わり」を目指す定跡手順の進行に。。
上図から次に
渡辺ニ冠が3四歩と角道を開けば
「角換わり」が濃厚となりますが。。しかし
10手目△4ニ銀。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: なし
△渡辺ニ冠: なし
渡辺ニ冠は角道を閉じたまま自陣の駒組みを進め
手順に乗っての角交換を拒みました。。
20手目△4一玉。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: なし
△渡辺ニ冠: なし
後手の注文の前に、佐々木七段も
角道を通したまま自陣の駒組みを進行させ
両者の銀が4筋で向かい合う「銀対抗」形が
盤上に描き出されました。。
力戦模様の展開で迎えた上図の局面で
堅い玉形を好む渡辺ニ冠が居玉を解除すると。。
21手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: なし
△渡辺ニ冠: なし
佐々木七段は飛車先2筋の歩を突き合わせ
駒組みの完成を待たずに仕掛けを開始しました。。
30手目△5五歩。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 歩
△渡辺ニ冠: なし
以下、△同歩~▲同飛~△2三歩に
▲2六飛(25手目)の進行で、先手の仕掛けが収まると
渡辺ニ冠は左の銀を戦場へと繰り出し(28手目△6四銀)
左右の銀をクロスして戦場に並べ、5筋の位を取りました。。
33手目▲6七金。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 歩
△渡辺ニ冠: なし
一方の佐々木七段が、玉を6筋に保留したまま
角を取り込んだ「高美濃囲い」を完成させた、次の瞬間。。
34手目△7五歩。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 歩
△渡辺ニ冠: なし
渡辺ニ冠は7筋の歩を突き合わせ
先手の角頭を標的に仕掛けを開始しました。。
その手をみて
佐々木七段は同歩とは取り込まずに
お隣り6筋の歩を突き合わせ、すぐに反発。。
(35手目▲6五歩)
渡辺ニ冠はすぐに△同銀(36手目)と応じて、以下
▲7五歩~△7六歩~▲8八角~△8六歩~▲同歩~
△同飛~▲8七歩~△8四飛~▲7九玉~△5ニ金~
▲9六歩~△9四歩をみて、49手目▲6六歩と進行。。
49手目▲6六歩。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 歩
△渡辺ニ冠: 歩
機敏に7筋に拠点を作った渡辺ニ冠が
玉の方に左右の金を乗せ、守りを固めに出ると
佐々木七段は簡単に局面を収めてなるものかと
6筋の銀の頭上に歩を突き立てます。。
63手目▲2五桂。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 歩4
△渡辺ニ冠: 歩
そのまま勢いよく駒を盛り上げ
後手の拠点を払い、6筋の位を取った佐々木七段は
上図で飛車先に桂馬を跳ね上げると、渡辺ニ冠が次に
2筋の歩を突き出したのをみて(64手目△2四歩)。。
65手目▲3三桂成。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 歩4
△渡辺ニ冠: 歩
佐々木七段はケレン味なく、桂馬を飛び込み
若さ弾ける真っ向勝負で後手陣へと襲い掛かります。。
77手目▲3四歩。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 金、歩2
△渡辺ニ冠: 金、桂、歩5
右から左から、盤面広く手が伸びる
佐々木七段の攻勢はテンポ良く続きますが
先手の手に乗りながらジッと間合いを計った
渡辺ニ冠は、上図から次に。。
78手目△8七歩。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 金、歩2
△渡辺ニ冠: 金、桂、歩4
角取りに構うことなく
先手の角に歩を突き立てて、厳しく急所を射抜き
絶妙のタイミングで反撃の狼煙を上げました。。
94手目8八角。
上図での持ち駒
▲佐々木七段: 金2、歩4
△渡辺ニ冠: 角、金、桂、歩
盤上が風雲急を告げる中
佐々木七段はそれでも果敢に攻め込みますが
形勢を掴んだら離さない、渡辺ニ冠は磐石の指し回しで
攻守に若きエスペランサを圧倒します。。
【 投了図・102手目△6五金 】
投了図での持ち駒
▲佐々木七段: 金、歩5
△渡辺ニ冠: 銀、歩
渡辺ニ冠の迫力の寄せを前に
佐々木七段は上図の局面で万策尽き果て
無念の投了を告げました。。
この結果、さすがの2連勝を飾った
渡辺ニ冠が堂々の2回戦進出を決めました。。
□□□
竹俣女流引退にて思う。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
第2回AbemaTVトーナメント/1回戦「渡辺ニ冠-佐々木七段を振り返ろう」