「羽生世代」4人目の勝ち名乗り。。NHK杯/準々決勝「広瀬竜王-郷田真隆九段を振り返ろう」

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第68回NHK杯将棋トーナメント

決勝トーナメント表

 

 

 

日曜午前のお楽しみ

第68回NHK杯将棋トーナメントは今が佳境。

24日には準々決勝最後にして注目の好カード

「広瀬章人竜王-郷田真隆九段」が放送されました。

 

 

 

2手目△8四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: なし

△広瀬竜王: なし

 

 

羽生善治九段、森内俊之九段、丸山忠久九段と

「羽生世代」の英雄が次々とベスト4に名乗りをあげ

大きな話題を集める中、準決勝最後のイスを懸けて

無頼な剣豪・郷田真隆九段が登場。

 

おのずと期待と幻想が高まる本局で

先手を得た郷田九段の初手は、角道を開く▲7六歩から。。

対します、広瀬竜王は2手目に飛車先を突く△8四歩と返し

こちらは居飛車を明示して、対局はスタート。。

 

 

 

3手目▲6八銀。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: なし

△広瀬竜王: なし

 

戦型の選択権を先手に委ねた竜王に対し

生粋の居飛車党にして本格正統派の郷田九段は

3手目▲6八銀とし、居飛車の看板戦法である

「矢倉」での勝負を指向しました。。

 

 

 

14手目△7四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: なし

△広瀬竜王: なし

 

しかし、確立された定跡手順の進行とはならず

角道を銀で止めた郷田九段が(5手目▲7七銀)

玉を6九の地点へ一マス移動したのをみて(13手目)

広瀬竜王は飛車のコビンを開き、急戦投入を示唆。。

 

すると、郷田九段も

同じく飛車のコビンを開き(15手目▲3六歩)

序盤から緊張感漂う駒組みの進行となりました。。

 

 

 

19手目▲4六銀。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: なし

△広瀬竜王: なし

 

広瀬竜王は歩を突いた7筋に桂馬を跳ね

角の利きとも連動させ、上空から圧力をかけます。。

 

しかし、郷田九段が次に攻撃の銀を4筋の戦場に繰り出し

「早繰り銀」に構えると、広瀬竜王は△4四歩(20手目)と突き

ひとまず角道を止めました。。

 

すると、次の瞬間

 

 

 

21手目▲3五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: なし

△広瀬竜王: なし

 

郷田九段はケレン味なく

3筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始しました。。

 

広瀬竜王は4三銀(22手目)と立て、以下

▲3四歩~△同銀~▲3八飛~△3三銀に▲2五歩~

△5二金~▲2八飛~△4五歩~▲同銀~△8六歩~

▲同銀をみて、下図34手目△8八角成と進行。。

 

 

 

34手目△8八角成。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 歩3

△広瀬竜王: 角、歩

 

3筋で歩の交換が成立すると

流れの中で反撃に転じた広瀬竜王が角交換を敢行。。

次に郷田九段のこの一手、▲同金(35手目)をみて。。

 

 

 

36手目△6五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 角、歩3

△広瀬竜王: 角、歩

 

7三の地点に待機していた

右の桂馬を爽やかに跳躍、攻勢を強めます。。

 

が、しかし

 

 

 

45手目▲7七桂。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 歩3

△広瀬竜王: 角、歩2

 

郷田九段は4六の好所に手持ちの角を投入。

角交換を挟んでから、2筋の歩を突き捨てると

左の桂馬を跳躍させて捌きに出ました。。

 

広瀬竜王はこの申し出を受け入れず

8筋に歩を打ち込み、銀取りを狙います。。

(46手目△8五歩)

 

 

 

48手目△8六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 桂、歩3

△広瀬竜王: 角、銀、歩

 

郷田九段が銀を逃げずに桂馬を捕獲すると

同歩では飛車が素抜かれる広瀬竜王は銀を捕獲。。

互いに意志を貫く進行から、手番を握った郷田九段は。。

 

 

 

49手目▲7三桂成。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 桂、歩3

△広瀬竜王: 角、銀、歩

 

そのまま桂馬の三段跳びを敢行。。

華々しく敵陣に飛び込み、いざ開戦を告げました。。

 

 

 

54手目△8七歩成。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 銀、歩3

△広瀬竜王: 角、銀、桂、歩2

 

互いに我が道を行く攻防は続き

広瀬竜王は桂馬の両取りに構うことなく(53手目▲5五桂)

飛車先からの敵陣突破を狙います。。

 

 

 

66手目△7八角。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 銀、桂、歩5

△広瀬竜王: 桂、歩2

 

先に先手に飛車の成り込みを許すも

狙い通りに飛車先突破を成し遂げた広瀬竜王は

そのまま力づくでの寄せに入りますが。。

 

 

 

79手目▲4四桂。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 金、銀2、歩4

△広瀬竜王: 銀、桂2、歩2

 

郷田九段は機をみて鋭く反撃に転じ

電光石火で鮮やかに後手玉を縛り上げました。。

 

 

 

80手目△6九角成。

 

上図での持ち駒

 

▲郷田九段: 金、銀2、歩4

△広瀬竜王: 銀、桂2、歩2

 

自玉に「詰めろ」がかかった

広瀬竜王は最後の攻め合いに全てを懸けますが。。

 

「広瀬竜王-郷田九段」の棋譜はこちら

 

 

【 投了図・103手目▲9三桂成 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲郷田九段: 金、銀、歩4

△広瀬竜王: 金、銀2、桂、歩2

 

先手玉を捕らえることは叶わず。。

握った手番で寄せに入った郷田九段の前に

上図で力尽き、広瀬竜王は無念の投了を告げました。。

 

持ち味発揮で見事な快勝を飾った郷田九段は

同世代の盟友が待つ、ベスト4へと勝ち名乗り。。

 

優勝を目指し、まずは準決勝では

因縁浅からぬ森内九段と激突。。これは楽しみ!!

 

 

 

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王将戦/第4局終局直後の感想

 

問答無用の結末。。いざ、天下統一へ

 

 

 

王将戦/第4局・一日目の所感

 

大一番も振り飛車悩ましく。。

 

 

決戦の舞台は18年ぶりの沖縄

 

王将戦/第4局開幕前夜

 

 

 

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新しいタイトル戦で目指す、次のステージへ

 

次のステージへ。。「中澤女流初段、完勝で連勝」

 

 

 

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藤井七段、衝撃の朝日杯2連覇達成!

 

覇者をも飲み込む、伝説への通過点。。

 

 

  

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秀英対決はともに譲らず。。決着は最終戦へ

 

叡王戦三番勝負/第2局「菅井七段、死闘を制す」

 

 

慶春online

 

 

 

 

 

 

Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
「羽生世代」4人目の勝ち名乗り。。NHK杯/準々決勝「広瀬竜王-郷田真隆九段を振り返ろう」