第30期竜王戦中継サイト
第31期ランキング戦5組トーナメント表
名人戦/第4局の余韻もまだ残りますが
今回は、先週の金曜日(18日)に行なわれました
注目カード、第31期竜王戦ランキング戦・5組/準決勝
「船江恒平六段-藤井聡太六段」の模様を振り返ります。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲船江六段: なし
△藤井六段: なし
本局の先手は、船江六段。
将棋界を席巻する藤井六段を相手にここまで3戦全勝と
キラーぶりを発揮する井上慶太九段門下最後の刺客の
初手は角道を開く▲7六歩から。。
対します、本局に史上最速最年少での七段昇段が懸かる
神童・藤井六段は2手目に、飛車先を突く△8四歩と返して
対局はスタートとなりました。。
9手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲船江六段: なし
△藤井六段: なし
細かな駆け引きを繰り返しながら
「角換わり」模様の進行となった、上図の局面で
船江六段が銀を6筋に上げ、後手からの角交換
あるいは角交換拒否に備えると。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲船江六段: なし
△藤井六段: 角
藤井六段はケレン味なく、角交換を敢行。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
17手目▲2六銀。
上図での持ち駒
▲船江六段: 角
△藤井六段: 角
角交換成立後
次なる焦点は双方、右銀の活用方法となりますが
船江六段は、通常では「腰掛銀」が主流の先手で
「棒銀」を投入、攻撃的な趣向をみせます。。
22手目△1四歩。
上図での持ち駒
▲船江六段: 角
△藤井六段: なし
そのまま一直線に「棒銀」を捌きに出た
船江六段に対して、藤井六段は手持ちの角を
4五の地点に打ち込み形を決めてから(20手目)
端歩を突き出し、「棒銀」を咎めに行きます。。
23手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲船江六段: 角
△藤井六段: なし
しかし、船江六段は初志貫徹。。
2筋の歩をそのまま突き合わせ、捌きに出ます。。
ならばと藤井六段は△同歩(24手目)と応じて
以下、▲同銀に△2七歩~▲4八飛~△2四銀をみて
下図29手目▲5五角と進行。。
29手目▲5五角。
上図での持ち駒
▲船江六段: 歩
△藤井六段: 銀
飛車先を押さえ込まれて、銀損となった
船江六段ですが、握った手番で天王山5筋に位へ
手持ちの角を投入し、飛車・香両取りを仕掛けます。。
これが船江六段、狙いの作戦でした。。
35手目▲2三歩。
上図での持ち駒
▲船江六段: 香
△藤井六段: 銀
香車を捕獲し、馬を作った
船江六段は敵陣2筋に歩を垂らし追撃。。
積極的に畳み掛けますが。。
36手目△2八銀。
上図での持ち駒
▲船江六段: 香
△藤井六段: なし
前掛かりになった先手陣の隙を
藤井六段は見逃すことなく、手持ちの銀を投入し
桂馬と香車を質駒としつつ、拠点を作りました。。
42手目△3五銀。
上図での持ち駒
▲船江六段: 香
△藤井六段: なし
その拠点を目印に
藤井六段は攻撃軍がグングンと前進させ
先手陣への圧力を着々と高めていきます。。
一方、序盤の勢いが影を潜めた船江六段は
上図から次に、3筋の歩を突き出し(43手目▲3六歩)
敢えて後手からの仕掛けを呼び込みました。。
この手をみて、藤井六段は。。
44手目△3七桂成。
上図での持ち駒
▲船江六段: 香
△藤井六段: なし
桂馬を敵陣に放り込み
駒音高く、いざ開戦を告げました。
55手目▲5六桂。
上図での持ち駒
▲船江六段: なし
△藤井六段: なし
駒が解れたところで、船江六段は反撃開始。。
互いに居玉のまま力を溜め合い、終盤戦に突入します。
上図から次に
藤井六段は角で4筋の歩を捕獲し(56手目△4五角)
以下、▲6四桂~△6三金~▲7ニ桂成~△同金をみて
▲4ニ馬~△6ニ玉~下図63手目▲5ニ銀と進行。。
63手目▲5ニ銀。
上図での持ち駒
▲船江六段: 歩
△藤井六段: 桂、歩
船江六段は一気呵成の猛攻で
藤井玉へと激しく詰め寄りますが。。
しかし
【 投了図・72手目△4八銀 】
投了図での持ち駒
▲船江六段: 金、歩
△藤井六段: 桂、香、歩2
後手玉に詰みはなし。。
逆に、手番を握った藤井六段が寄せに出ると
あっという間に先手玉を仕留め上げ、上図の局面で
船江六段は万策尽き果て、無念の投了を告げました。
腰の据わった見事な完勝を飾った
藤井六段はランキング戦2期連続昇級の規定を満たし
史上最速、15歳9ヶ月での七段昇段を決めました。
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名人戦/第4局終局直後の印象
名人戦/第4局・一日目の所感
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王位戦では鬼神の強さ
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史上最速の快挙達成
未完の大器が本領発揮。。
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叡王戦/第3局は宮城県にて。。
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女流王位戦は波乱の幕開け。。
Source: 柔らかい手~個人的将棋ブログ
重心は微動だに。。第31期竜王戦・5組/準決勝「藤井新七段誕生の一局を振り返ろう」